こんにちは。木村 久美です。老後資金を貯めたいと銀行に相談すると、こういった商品をすすめられることがあります。
個人年金保険です。
銀行預金よりも増えることが期待できます。
個人年金保険に加入しようか悩んでいる方から、このようなご質問をいただきました。
老後に向けて貯蓄をしたいと考えています。
銀行の窓口で、明治安田生命のかんたん未来計画、という個人年金保険の加入を勧められました。
将来に向けての貯蓄が確実に出来るという点は魅力的です。
でも、保険に関しての知識がほとんど無いので、今すぐに入らなければならないのか?と悩んでしまいました。
かんたん未来計画に加入するメリット、デメリットって何ですか?
他におすすめの個人年金保険会社があれば、教えてください。
それでは早速、明治安田生命のかんたん未来計画のメリット、デメリットについて検証していきましょう。
目次
ここがポイント!明治安田生命のかんたん未来計画のメリットとは?
おっしゃるように、毎月の自動積立で、貯蓄が確実に出来るのが、1つのメリットですよね。
また、個人年金保険料控除が使えるので、所得税や住民税が安くなります。
税金がどれくらい安くなるのか、それは、課税所得で違ってきます。
たとえば、課税所得が300万円の場合、税金が6800円安くなります。
年末調整でお金が戻ってくると、嬉しいですよね。^^
強制的に貯めながら、税金までおトクにできるのが、かんたん未来計画のメリットといえます。
知らないでは済まされない!明治安田生命のかんたん未来計画のデメリットとは?
デメリットは、大きく2つあります。
まずひとつめは、途中で解約すると、大きく元本割れする可能性があるということです。
もちろん、「老後まで絶対に解約しない」と心に決めて、契約をされることと思います。
しかし、人生はいつどんな事が起きるのか、わかりません。
急に家族が入院することになったり、親の介護が必要になったり、一時的にまとまったお金が必要になる可能性もあるわけです。
そのような時に解約してしまうと、せっかく貯めてきたお金がマイナスになるわけです。
ふたつめは、保険会社の破たんリスクです。
保険会社が破たんした場合、支払った保険料よりも戻ってくるお金が、大きく減ってしまう可能性があります。
過去にリーマンショックがあった時に、大和生命が破たんしました。
その後、ジブラルタ生命が引き継いでいます。
しかしその時、貯蓄型保険は、最大で43%も削減されてしまいました。
もし200万円で契約していたら、114万円しか戻ってこない、ということです。
にもかかわらず、保険料はこれまでと同じ金額を払い続けなければなりません。
それは、ほかの保険会社も同じです。
保険で貯蓄をする場合は、これらのデメリットを理解しておくことが必要です。
老後資金を貯めたいなら、ほかの選択肢も候補にあがります。
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)というものです。
いったいどんなものなのか?
一緒にみていきましょう。
かんたん未来計画よりも効率良く増えてくれる!?個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)ってなに?
少子高齢化の影響で、将来もらえる年金は減る可能性があるといわれています。
今の生活レベルを極端に落とさないようにするには、それなりに貯蓄をする必要があるわけです。
「自助努力で貯めてもらう代わりに、税金をお得にしますよ。」
とつくられたのが、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)という制度です。
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)をつかえば、破たんリスクの心配は不要です。
もし、金融機関が破たんしたとしても、積み立てたお金は、全額守られる仕組みになっています。
そして、掛けたお金が、全額所得控除できます。
仮に、課税所得300万円の方が、毎月2万円積立てるとしましょう。
すると、48000円も税金が安くなります。
かんたん未来計画で安くなる税金は、いくらだったでしょうか?
6800円です。
全然違いますよね。^^
それから、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)の中身は、定期預金、個人年金保険、投資信託、主に3つの商品から選ぶことができます。
定期預金や個人年金保険は、元本保証タイプです。
節税メリットは、もちろん得られます。
ただ、元本保証であるだけで、残念ながら増えてはくれません。
増やそうと思ったら、投資信託が選択肢になります。
では、かんたん未来計画と、投資信託では、どのくらい増え方が違うのか?
さっそくシミュレーションしてみましょう。
まず、かんたん未来計画からです。
パンフレットに載っている事例で見てみます。
月3万円で25年間積立、その後10年間据え置き運用した場合、
払込保険料は、900万円になります。
65歳時の一括受取金は1085万円です。
では、投資信託だと、どれくらいになってくれるのでしょうか?
仮に、6%で35年間運用した場合、3650万円ほどになってくれます。
ぜんぜん違いますよね。
なぜこのように増えてくれるのでしょうか?
それは複利の効果が働いてくれるからです。
複利は、利息が利息を生んで、雪だるま式に増えてくれるという特徴があります。
長く続けるほど、その効果が大きくなってくれるのです。
投資信託は投資なので、もちろん、リスクはあります。
しかしリスクは上手にコントロールすることが可能です。
それが理解できれば、安心して投資ができるようになります。
難しそうに感じるかもしれませんが、ご安心ください。