こんにちは、木村久美です。銀行で、毎年冬になると、定期預金の金利上乗せキャンペーンをやっているところをよく見かけます。
しかし、今年の冬になって状況が変わってきました。
マイナス金利の影響で、例年のように、上乗せで金利をつけることが難しくなってきています。
そのため、キャンペーン実施を見送ったり、早めに終了したりするところが多かったようです。
このような状況の中で窓口に行くと、おすすめされる商品の1つが、外貨預金です。
ある銀行の豪ドル外貨預金の広告を目にしました。
豪ドル、年利9.00%と書かれてあります。
円の定期預金が、年利0.01%なので、すごく魅力を感じませんか?
ただ、そこですぐに窓口に行ってはいけませんよ(笑)
ここでチェックしてほしいポイントが、2つあります。
まずは、預入れ期間をみてください。
この広告には、1ヵ月、と書かれてありました。
実際の金利を計算してみると、0.59%になります。
9%と比べると、ずいぶんと下がりましたね。
しかし、それでも円の定期預金よりは、金利が高いですね。
ただ、もう1つチェックすべきポイントがあります。
それは、為替手数料です。
この銀行の為替手数料は、片道40銭でした。
仮に、100万円預けたとしましょう。
為替レートを1豪ドル=90円で計算してみますね。
まず、100万円を豪ドルに両替します。
90円に、手数料の40銭を上乗せした90.40円で元手の100万円を割ります。
すると、11062豪ドルになります。
ここから、1か月分の利息0.59%がつきます。
11127豪ドルになります。
問題はここからです。
これをまた円に戻しますよね。
その際、90円から手数料を引いた89円60銭で計算することになります。
11127豪ドル×89.60円=996980円
預けたお金は、いくらでしたっけ?
100万円ですよね。
ところが、戻ってきたお金は、99万7千円です。
つまり、1ヵ月という短い期間で、3千円も元本割れすることになってしまいました。
広告には、年利9%、と書いてあるにもかかわらずです。
それでも、外貨預金にお金を預けますか?